充電回路の安全化と効率化
1. はじめに
前章にて、ソーラー発電によるマイニングマシンの運用と
「ソーラー発電と商用電源(コンセント)の自動切替」
を実現できた。
しかし、課題として
1.自動切換リレーが破損する可能性がある
2.連続(24時間)稼働ができない
ことがわかった。
写真1: 第一章での接続状態
2. もくてき
まず、自動切換えリレーで電圧判定を行っているために
描いた絵のとおり切換えができていない。
(仕様値)コイル電圧 リレーON:9.6V、リレーOFF:3.6V
つまり、ソーラー出力が9.6Vになると切換えリレーは
商用電源からソーラー電源へ充電回路を切り替える。
そうすると、DC12→5V変換部分が動作せずにマイニングが止まる。
これは、バッテリーが空のとき、ソーラーパネルに日出直後の
弱い日光が当たると発生する。
逆に日没すると、バッテリーの残量に関わらずに商用電源へ
切り替えてしまう。
つまり、日中に貯めたエネルギーを使えない。
図1: 回路図上の問題点
今回はこのあたりを解決していく。
勝利条件
- [ ] 自動切換えリレーの保護
- [ ] 効率的に発電した電気を利用する
4. やりかた
「12Vのミニチュアリレーで電圧監視して回路切り替え」
という考え方が能天気であった。
反省して調整可能な低電圧保護リレーを導入する。
同時に、電圧の監視先をバッテリーにする。
そうすれば、バッテリーに貯めた電気を使い切ってから
商用電源に切り替えられる。
4-1. 用意するもの
- 低電圧保護リレー
車などのアクセサリ類を使うために作られたものと思われる。
低電圧カットオフと自動復帰してくれるので便利。
電圧調整も簡単に調整できた。
4-2. 回路図
用意した低電圧保護リレーを組み込んだ回路図。
図2: 改良した充電回路図
低電圧保護リレーでバッテリー電圧を監視する。
そして、電圧が低下(=ソーラー発電がされず、貯めた電気も減ってきた)
状態になると回路切替リレーで充電回路を切り替える。
逆に、電圧が上昇(=ソーラー発電でバッテリーを充電している)状態になると
一定のレベルで電源が入る。
前回は1個のリレーでやっていたが、
今回は低電圧保護と回路切り替えを2つのリレーで行う。
なお、本当はBATTと低電圧保護リレーの間に1個、チャージコントローラの
バッテリー出力のa接点が入っている。(表記漏れ)
5. けっか
この回路図をもとに改造した結果がこれ。
写真2: 完成した充電回路
動作を確認する。
5-1. ソーラー電源へ切替
動作は異常なし
写真3: 動作確認1
- PV(ソーラーパネルからの給電)LEDが点灯しているが、BATTが空だった為BATT保護状態であり、出力されない。低電圧保護リレーもOFFで、PCは商用電源で動作している。
- BATTが充電され、チャージコントローラのBATT保護が解除される。LOAD(バッテリー出力)LEDが点灯して、バッテリーから出力される。ここで、低電圧保護リレーはまだ動作しない。
- BATTに充電が続き、BATT電圧が上がる。
- 低電圧保護リレーが動作し、回路切替リレーによって充電回路がソーラーパネルに切り替わる。
5-2. 商用電源へ切替
動作は異常なし
写真4: 動作確認2
- 低電圧保護リレーはON、BATTに充電されている電気が少なくなってくる。
- 低電圧保護リレーがOFF、PCは商用電源で動作している。
- LOAD_LEDは点灯、BATT出力がまだONであり、BATT電圧が低下する。
- チャージコントローラがBATT出力をOFFにする。
6. まとめ
勝利判定
- [x] 自動切換えリレーの保護
- [x] 効率的に発電した電気を利用する
とにかく、やりたいことはできた。
自動切換えリレーは爆発しないし、24時間動き続けます。
以上、解散!!!
7.残件
24時間動き続けます 続けません。
写真5: リレー切替時の12Voutオシロスコープキャプチャ
回路切り替え時にPCが再起動する( ´∀`)ワロタ
8.参考文献
技術評論社 テスターの使い方がよくわかる本
ISBN:978-4-7741-3901-2
秋月電子のLCDオシロスコープキットを使ってみる
みけCAT 様
https://mikecat.usamimi.info/aki_oscillo_use/