皆様こんにちは。D.Mです。
1(https://monaledge.com/article/728)
2(https://monaledge.com/article/729)
3(https://monaledge.com/article/730)
に続き、
今回はRaspberry Pi4を使用してMonacoinをマイニングしてみた記録です。

※ある程度ITの知識がある方向けの記事です。
※実験的要素が大きく、利益はほとんど期待できません。
※今までのシリーズの記事をご覧いただいた前提の記事となります。
※ご不明な点があれば、コメントをいただけますと幸いです。
(別途解説記事を作成するかもしれません)

環境

実施日:2025年05月12日
採掘報酬:6.25 MONA(90秒/1ブロック。lyra2rev2)
指定Difficulty:0.0558

用意したもの(前回同様)

・普段使いのPC(ウォレットの管理など)
・RaspberryPi 4(マイニングマシン)
・ラズパイ4用ヒートシンク
・インターネット回線
・電源

ラズパイ4の基本性能

CPU:ARM 1.5GHz(4コア/4スレ)
RAM:2GB

①Raspberry Pi4のセットアップ

・Raspberry Pi3と同様に、RaspberryPi OS Lite(64bit版)を用意します。(microSD使いまわし)
・前回と同様に以下のコマンドでパッケージを用意します。(使いまわしの場合は不要)

sudo apt update
sudo apt upgrade
sudo apt autoremove
sudo apt install git build-essential autoconf automake libtool pkg-config libcurl4-openssl-dev libjansson-dev libssl-dev zlib1g-dev tmux

②マイニングツールのセットアップ

今回もcpuminer-multiを使用します。前回と同じです。

git clone https://github.com/tpruvot/cpuminer-multi.git
cd cpuminer-multi
CFLAGS="-O2 -march=armv8-a" ./build.sh arm64

③マイニングの実行

前回同様に採掘を実行します。

tmux
./cpuminer -a lyra2v2 -o stratum+tcp://vippool.net:8888 -u ユーザ名.ワーカー名 -p パスワード -t 4

各コアが49.58kH/sで198.07kH/sを記録しました。チューニング無しで6.1Wでした。
raspberrypi4notuning.png

④チューニング

採掘量を上げるため、前回同様のチューニングを行います。

④-1 GPUメモリ容量の変更

/boot/firmware/config.txtに以下を追加します。

# GPU memory
gpu_mem=64

④-2 映像音声出力無効化+無線無効化

/boot/firmware/config.txtに以下を追加します。

# HDMI disable
hdmi_blanking=2        
hdmi_ignore_hotplug=1 

# audio disable
dtparam=audio=off

# Bluetooth disable
dtoverlay=disable-bt

# Wi-Fi disable
dtoverlay=disable-wifi

④-3 オーバークロック

今回は本格的?にオーバークロックに挑戦してみました。オーバークロックをするにあたり、CPUの状態を確認するために以下のおコマンドを使用します。

# 現在のCPU周波数を確認
$ vcgencmd measure_clock arm
frequency(48)=1500345728

# CPU温度計測
$ vcgencmd measure_temp
temp=83.2'C

# サーマルスロットリング確認
$ vcgencmd get_throttled
throttled=0x80008

適切に冷却し、サーマルスロットリング(性能抑制)が起こらない周波数を探していきます。
まずは、1.8GHzで

arm_freq=1800
gpu_freq=750
over_voltage=6

raspberrypi4oc1.8.png
9.6Wでした。

次に2.0GHzで

arm_freq=2000
gpu_freq=750
over_voltage=6

raspberypi4oc2.0.png
9.6Wで、ここで確認したところ、サーマルスロットリング(84℃)が発生したので、外付けUSBファンを取り付け冷却を増やした結果・・・

⑧検証

実際に24時間稼働させてみたところ、安定して264.45 kH/sを記録しました。
消費電力は10Wでした。ファンで61℃程度の温度になりました。
raspberrypi4oc2.0fn.png

⑨最後に

RaspberryPi1 RaspberryPi2 RaspberryPi3 RaspberryPi4
ハッシュレート 1.55kH/s 20.58kH/s 122.11kH/s 264.45kH/s
消費電力 2W 3W 7.2W 10W
kハッシュ/W 0.775 6.86 16.9 26.4

今回もマイニングに成功し、ハッシュレートも向上しました。

USBファンで-20℃なったことなどをきっかけに、オーバークロックは奥が深いなぁとPCのオーバークロックの情報を収集するようになりました。
・CPU周波数
・GPU周波数
・RAM周波数
・CPU電圧
・ヒートシンク
・ファン
・サーマルグリス
・サーマルパッド
・室温
・空冷
・液冷
・熱交換機構
・あたり石探し
etc...
様々な要素が関係する分野なので、別で色々試したくなりました。
※前回のラズパイ3はOCのやり方が間違っていたので、もう少しハッシュ出せた気がします。<(_ _)>

次回はついに最終回?

次回は、現在のフラグシップ!Raspberry Pi 5で実験する予定です。
もしこの記事が気に入りましたら、モナコインを投げていただけるとありがたいです。

【ゆるぼ】

このシリーズを継続するために、情報を募集しております。知識お持ちの方いらっしゃいましたら、コメント若しくはX等でご連絡いただけますと幸いです。

・Raspberry5で更なるハッシュレートを向上させる方法(現在CPUマイニングなので、ラズパイのGPUを使う方法?なんか外部デバイスをつなげてみる方法?)

・並列演算で行うマイニング(MPI等の並列演算ライブラリの活用したマイニングなど)

・他のマイニングネタ(ラズパイ以外のSBC?普通のPCは部品が多彩で、無尽蔵に検証ができる(費用が青天井)なのでイマイチ感・・・))

・クラウド技術を活用したマイニング?

などなどなど・・・

2025-05-22:D.M(@dmepjp)