ポルシェのブレーキが圧倒的にすぐれていることは周知の事実でしょう
その圧倒的なブレーキの出来のよさに絶大な信頼を寄せているからこそアクセルを安心して踏んでいける
ポルシェはブレーキの設計の際は、エンジン出力の4倍の制動力を確保することを徹底していると聞いたことがあります。
同じモデルでも、素とSモデルでローターやキャリパーのサイズが変わることもしばしば。
製造コストなどを勘案すれば、部品は共通化した方が良いのですが、ブレーキに対する徹底的なこだわりが見て取れる一例です。
実際に運転してみると定性的にもその良さは感じ取れますが、データとしてもポルシェのブレーキが優れていることは明らかです
https://www.brembo.com/jp/company/news/50-special
これはbremboが出している調査結果で
100 km/h から0 km/hに減速することの制動距離に関するランキングです。
これを見るともちろんトップはポルシェですが、top50台中13台はポルシェであることが分かります
車の種類に目を向けてみると987ケイマンや、997の911など2004年ごろに生産された車両でありながら近年の車と同等の制動距離を実現している点はさすがポルシェ
そんなポルシェのブレーキの開発に関して記事が公開されている
いつの時代もポルシェの開発担当者が目指すのは、各セグメントで最高のブレーキパフォーマンスとドライビング・ダイナミクス。ブレーキ・ディスクの設計、素材の選択、冷却システム、タイヤ、制御システム……それらの要件を詰めていき、最終的にバランスの整った納得のいく全体像を構築する。
ポルシェのブレーキに対する並々ならぬこだわりがうかがえます
驚きなのがその過酷なテスト
イタリアにあるナルドの超高速テストコースで行われる制動テストです。その内容が
「車輛を 90km/h から 230km/h へ加速し、そこからブレーキ・ペダルを素早く踏み込んで急停止させるセットを繰り返す」というものです。しかもそれを20回もするのだとか...
15 回目のブレーキングを行った時点で、ディスクの温度は 750℃ に達します。そこからの冷却効率をテストするために、15 回目と 16 回目のブレーキングでは一旦 150℃ までディスクを冷まします。そして、最後の 5 回のブレーキングで摩擦係数のレベルに変化があるか──つまりブレーキがテスト開始時と同様の制動力を発揮しているか──をテストします
なんともすさまじいテストですね
ちなみにですが、キャリパーの色でポルシェのブレーキを見分けることができるそうです
- 標準ブレーキはブラック
- S 用の強化型はモデルに応じてシルバーかレッド
- PCCB ブレーキはイエロー
となっているそうな。
少し話が変わりますが、2021 年以降、アメリカでは自動車用ブレーキ・パッドへの銅の使用が制限されることになっているそうです。現時点でブレーキ・パッドの銅の含有量は 35% に達していることを考えると大きな仕様変更を余儀なくされますね。
しかし、ポルシェはすでに代替素材の研究開発を進めており
規制が開始される時点では余裕で基準をクリアすることができるでしょう
と語っています。
かっこよすぎる
新素材のポルシェのブレーキがどんなものになるのか楽しみですね